軽量ムーバブル低倍率集光太陽光発電システムを用いた農業利用技術開発
土壌中には多様な微生物が生息するが、同一の作物栽培を連続すると特定の微生物種のみが優先し、作物が病害虫に弱くなることが知られている。この連作障害を避けるために、輪作などによる対処が古くから行われているが、特定作物を大量に作付けする商業的農家にとっては不向きな場合もある。連作障害を回避には、有害微生物を駆除する土壌消毒が環境への負荷も小さいマルチによる太陽熱消毒が注目を集めている。
そこで、本研究開発では、マルチと、低倍率集光太陽光発電システムにより副次的に発生する温水との併用により、土壌消毒を試み、その効果を検証している。
これまでには、岐阜大学の実験圃場で得た物理パラメータを用いた熱水の潅水効果の検討から、実験圃場の土壌では、マルチと組み合わせることで表層部分ではある程度の効果が見込めることがわかっている。
本年度は、第1に、数値シミュレーションを用いて、マルチを行わず熱水のみの散布効果の一般的な指針を検討した。第2 には、熱水消毒効果の病原菌散布実験による実験的検証も行った。