【受賞】水文・水資源学会より、絵本「地球を旅する水のはなし」(福音館書店)に、学術出版賞を授与されました。

2020年9月17日 2020年度 水文・水資源学会総会にて、大西健夫・龍澤彩・曽我市太郎「地球を旅する水のはなし」、福音館書店、2017、に対して学術出版賞を授与されました。3人と編集者である山中さんの4人のチームによる合作に送られた賞です。そのような思いを込めた受賞スピーチの全文を掲載いたします。

以下全文

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ありがとうございます。岐阜大学の大西と申します。

私たちが出版しました「地球を旅する水のはなし」にこのような賞をいただき、大変光栄に思います。ご推薦をいただいた方、選考にあたられた選考委員の皆様、そして関係の皆様全てに、心より感謝を申し上げます。

また、共同執筆者であり最良のパートナーでもある龍澤彩さん、絵を担当していただいた曽我市太郎さん、そして福音館書店 科学絵本 編集部の山中真紀さんに心よりの感謝を伝えたいと思います。彼らとのチームワークなくしてはこの本は世に送り出されることはなかったでしょう。

中でも曽我さんの絵は、徹底した取材にもとづき、一枚一枚が細部にいたるまで本当に精緻に描かれています。本日は、オンラインならではと思い、原画を一枚ご披露したいと思います。カメラ越しには伝わりにくいかと思いますが、一枚一枚が本当に素晴らしいものです。

絵本の製作過程では、枝葉末節を省き、小学生でもわかる平易な言葉で、かつ科学的な正確さを損なわないように表現を磨き上げていく必要がありました。そのたびに、水文学に対する深い理解と幅広い見識が求められることを痛感し、勉強をし直したことを思い出します。また、学術論文同様、出版社の編集者は、優れた査読者であるということが身に染みてわかりました。

このような意味で、絵本を作成することは、専門の蛸壺に陥らず、本質を見失わないために必要不可欠な活動となっています。幸いにして、来年には第二弾である「土の絵本」も出版することができる見込みです。

まだまだ若輩者ではありますが、今後も、学術的活動の傍らで、その成果を一般の人、特に次の時代を担う子供たちに知ってもらう活動に、尽力していきたいと考えています。本日はどうもありがとうございました。